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NBL:企業法務と理論をつなぐ(株)商事法務/No.884/2008.7.1 掲載

HOT/COOL Player:低炭素社会の構築を目指して
NPO法人日本気候政策センター理事長 森嶌昭夫

[要約]
洞爺湖サミット開催に向け6月に発表された「福田ビジョン」は、わが国の気候変動対策について「低炭素社会」の方向性を示す。
「低炭素」とは、化石燃料消費を少なくし、CO2(二酸化炭素)排出量を削減し、森林のCO2吸収量の維持増加を促進して、大気中CO2濃度を安定化させ、地球温暖化促進を食い止めようとすることだ。
20世紀後半以降の工業化の進展で化石燃料を大量に燃焼したため、CO2濃度は急激に高まった。IPCCは、現在の化石燃料依存型社会が続き、CO2濃度が高まり続けると、人類の生存に影響があり得ると予測する。
科学者の間ではCO2排出量、CO2濃度をどのレベルに抑えれば安全なのかについて意見の一致が得られていないが、21世紀末の人類の生存を危うくしないためには、エネルギー供給側の化石エネルギーから再生可能エネルギーへのエネルギー源転換、需要側の抜本的省エネルギーを行う必要がある。
福田ビジョンが示す低炭素社会に向けたパラダイムシフトは、ビジネス経営にどのようなことを示唆しているであろうか。
欧米の主力政策は炭素に価格をつける手法だ。EUではすでに排出量取引制度が導入され、排出割当量を遵守できない企業には経済的負担が課される。
CO2排出に課税して炭素に価格づけるという手法もある。
炭素に価格づけることによって、低炭素行動を導く。
株主、投資家、金融業は省エネ等で利益を生み出す「優良」企業を、企業環境会計などを通じて評価し格付けすることになろう。また、一般消費者や市民に対する企業のイメージアップやCSRのために、企業の行動についての情報開示が必要になる。
わが国ではこれまで、排出量取引や環境税は経済活動への規制であると反対が強かった。低炭素社会を実現するには、わが国の実情に合った政策手法を検討しつつ、企業も中長期経営戦略をとり次世代への責任を持つ必要がある。

 

「北海道洞爺湖サミットに向けて:
日本は何をすべきか〜気候変動問題の仕上げ」
日本気候政策センター理事長 森島昭夫

『月刊エネルギー』特集2 (2008年1月号・Vol.41)



「地球温暖化と日本の将来―
なぜNPO法人日本気候政策センターを設立したのか」
NPO法人日本気候政策センター理事長 森嶌昭夫

『書斎の窓:創業130周年記念特集号』No.566 
(2007年7・8月号・有斐閣)掲載

 

 

 

   

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